裸足でワルツを

裸足でワルツを (花音コミックス)

裸足でワルツを (花音コミックス)

三池ろむこの短編集。
結構好きな話が揃っています。
以下ネタバレ
表題作シリーズは嫌いではないのだけれど、
如何せん、短過ぎる気がします。
3話以上のゆっくりとしたストーリー展開の方が
良かったかなと思います。
聖とのエピソードとかも掘り下げて欲しかったですし。
いそいそと家事に勤しむ中原くんがお気に入りです。


収録作「GOOD SKY SUNNY DAY」は
一番お気に入りの話です。
陸上部が舞台。
怪我がきっかけで走らなくなった楡原と
棒高跳びの吉崎の二人。
好きなシーンは、吉崎が赤くなりながら
「気にもしない奴のコトを
 ずっと見たりしない」と言うところ。
色んな想いが凝縮している気がします。
二人の関係が(少なくとも作中では)
キスどまりなのも好感。
(単に自分が枯れてきたのかなぁ…)


収録作「どうしたらいい、この恋を」は
広告代理店に勤める
先輩の黒河と、新人の宇野くんのお話。
先輩後輩の構図は、
今自分が置かれている状況故に気になるところです。
大人びた黒河が、宇野に対して
割と子供じみた独占欲を感じているのは、
自分もその種の独占欲を感じることがままあるので
共感してしまいました。
「…宇野は俺だけに
 頼ってくれていればいい」なんて台詞、
自分でも言ってみたいし、
逆に言われてもみたいなぁと思ったり。
教えたり、頼られたりするのは
割と好きで(自尊心が満たされるからかな?)、
後輩に教えてと頼まれると
「喜んで!」と云った感じで
いそいそと教えに行っちゃったりするのですが、
慕われてるのか、体良く利用されているのか
時々不安になったりもします。
こんなにも慕われたいと云う、
自分の願望がつまったお話でした。