佐倉ハイジ「感応喫茶店」

感応喫茶店 (あすかコミックCL-DX)

感応喫茶店 (あすかコミックCL-DX)

後書きでも取り上げられていましたが、
表紙で半ケツと下着を見せているのは
チャレンジングだなあと思います。
いや、タイトルに非常にそぐう表紙です(笑)
以下ネタバレ。


表題作シリーズは、
会社を辞めて喫茶店の店長を務める久原と、
久原の会社時代の後輩で、彼を慕ってお店に通う藤波のお話。
ちなみにこの久原が表紙でお尻を出していた人です。
キスをして、はずみとは云え、頬をはたかれても、
久原のお店に通える藤波の勇気が羨ましいです。
自分なら凹んで、怖くて、とても顔を出せないだろうな…。
藤波の来店状況によって
閉店時間を早めたり遅らせたりする
適当な店舗運営者としての久原。
そこまで如実に行動に表れているのが可愛いし、
藤波も愛されているなあと。
久原のお店でバイトしている尚人くんがお気に入りです。
背は別段低くないのですが、雰囲気がちまっとしていて
可愛らしいのです。
1話目で藤波が来て早々の閉店時に、
久原に忘れ物やバイト代を落とさないようにと心配されたり、
夜食を持たされたり、「まっすぐ帰れよ!」と
送り出されて恥ずかしそうなところとか、
いっぱいいっぱいになりながら
バイト先で試験勉強したりしているところとか。


収録作「思い知れ。」は単行本「思い知れ。」の
本来なら第1話にあたるお話。
良いのかな、単行本の方に収録しなくても…。
山奥の農業高校にやってきた小川と、
彼の1つ上の学年の野性味溢れる本郷(鶏をしめようとしてたり…)。
寮で同室になったものの、
何を考えているか分からない本郷に
振り回されている小川。
このお話だけだと
本郷は本当に掴み所がないのだけれど、
最後に「先行くから」と小川の首筋にキスして、
それでいて照れていたりして、
実は愛情深かったりするんだなあと感慨。