弁護士は恋を自白する

id:mou-mou様推薦の
榎田尤利の「弁護士は恋を自白する*1」を読了。
米国を舞台にしたダンサーと弁護士のお話です。
海外モノは初めてです。ダンサーの世界も初めてかも。
BL小説を通じてこれまで関心のなかった世界に触れられるのは
新しい興味のきっかけとなったりして良いことです。
弁護士が登場すると云うことで、
ちょっぴり法廷モノを想像してました(笑)
逆転裁判*2のプレイし過ぎかも)
内容はBL版プリティーウーマン。
作中で主人公の潤也自身も自分自身の境遇をそう言っていますし。
自分に好意を寄せてくれる人が
自分の為に尽力してくれる嬉しさと、
その尽力の方向が逆に自身を傷付ける結果となってしまう辛さ。
そこまで劇的なシチュエーションに遭遇した経験はありませんが、
嬉しいはずの好意が時に、好ましくない状況を引き起こしたりして、
そのことに苦悩することはままあります。
好意から出たものだけに、
自分の中で気持ちを整理できなかったりするのは理解できます。
「これはもう、恋だ。」と自覚する場面の直前で
「ああ、だめだ」と思ってしまう潤也が悲しいです。
自分も見込みのない相手に恋心を寄せてしまって後悔したり、
そうならないように予防線を張ったりしてるので。
その原因となる、潤也の初恋に纏わるトラウマは切なくて泣けてきます。
告白を想定すらしていなかった相手の
「珍しい生き物を見るような」眼差しに
耐え切れない気持ちは痛いほどに分かります。


いつでも潤也に助け舟を出してくれる潤也の祖母が良い味を出してます。
飄々としていて素敵。
鍼師のシンもお気に入り。
ストイックなイメージが逆にそそります(何を?)。


イラストレータ茶屋町勝呂による
弁護士のアシュリーはちょっと線が太過ぎる気が…。
欧米人としてはあれが標準なのかもしれませんけど。


表題作を読み終えた後、
漠然とリック×ショーンのお話が読みたいなあと思っていたら、
その後の収録作がまさにリック×ショーンの馴れ初めの話で嬉しかったです。
ショーンが最初のイメージと違ってウブ過ぎるのが
余計可愛らしさを強めています。
お話全体も、表題作よりえっち度高し。

*1:

弁護士は恋を自白する (SHYノベルス)

弁護士は恋を自白する (SHYノベルス)

*2:

逆転裁判 BEST PRICE

逆転裁判 BEST PRICE