ばらいろ すみれいろ

あとり硅子の「ばらいろ すみれいろ*1」を購読。
あとり硅子さんは今年の7月に亡くなっていて、
この本は彼女の死後に刊行されました。
収録作品と収録作品の間にある白ページに、
本来ならあとりさんの描き下ろしカットや
コメントが書かれていたのだろうなと思うと、
もうあとり硅子作品を読むことができないことと相俟って
しんみりとした気持ちになりました。

収録作はちょっとオチが予想できる予定調和ものではあるのだけれど、
そこここにあとりテイストが溢れていてどれも好きです。
お気に入りは「オムレツの月」と「ひとさらい」。
どちらも子供が登場しているけど、私はショタじゃない(ハズ…)。
「オムレツの月」では、
口は悪いけど、実はコーイチを非常に気にかけているシドがお気に入り。
コーイチも健気で良いです。
ロボットと人との交流って良いなあと思うのです。
(浅見侑の「A・Iレボリューション」も好きだし。)
「ひとさらい」は司書の恩田さんがお気に入り。
眼鏡くんであることもさることながら、
宇津木くんに手を焼いて困っているところも好きだなあ。
あと、「not for you」のナナちゃんも好きかも。
ああいう、我が儘なところはウチのはるこソックリです。
そしてナナちゃんに虐げられる浩太郎は、さながら私のようです…。とほほ。
私も時折、グレやナナちゃんの世界が良いなあと思ってしまう、
駄目な人です。あう。

*1:ばらいろ すみれいろ (Wings comics)