迷仔

迷仔 (GUSH COMICS)

迷仔 (GUSH COMICS)

待望のホームラン・拳の新刊。
そして「ぼくとアクマと魔法のことば」との二冊同時発売!
何より、この「迷仔」には、
ホームラン・拳の初体験である
「きみがすき」が収録されています。
以下ネタバレ。
先ずは収録作「きみがすき」について。
幼馴染みの直(髪ボサボサのインテリメガネ(笑))に
彼女ができてうらやましいやらさみしいやらで、
感情が穏やかでない朋。
一人で帰る時の「胸がやな感じ…」と呟く時の
涙目でちょっとふくれっ面の朋がちょっと可愛い。
「直に彼女…」と何度も何度も
ぐるぐると同じことを考えて、
他のことには上の空の状態になっちゃうところは
自分に通じるところがあるなと思ったり。
ごはんを一緒に食べに行けるだけで
有頂天になったり、
それが駄目になっただけで絶望したりと
いったところも共感しちゃいます。
一緒にごはんに行けるって素敵なことだし
大切にしたいことだと思います。
「おれの事 優先にして
 おれの事だけ見てて」のシーンも迫真。
告白を断られると思って、
「そんなの夢で何回も言われたから」
と思うのもうんうんと頷いて読みました。
年齢的に不足はないのだけれど、
告白には臆病になる気持ちは相変わらずです…。
結局は直が朋の気を引こうとしたための
嘘と云う、割とありがちなオチではあるのですが、
色々な要素がたくさんつまった思い出の作品です。


表題作シリーズでは、
1作目で割と頭が良さげに描かれていた太壱が、
2作目では千尋にベタ惚れの
ちょっと可愛そうな子になってます…(笑)。
でもつり目が好きだったりします。
2作目から登場の河野は爽やか系で、
尚かつ立ち位置を弁えている良い人です。好感。


「きんいろのほし」
村上のポニーテールはどうかと思ってしまいますが、
表紙の笑顔が素敵なのでプラマイゼロってことで。
カラーの口絵も可愛らしいし。
誰かの歌声を聞いてみたいと云う衝動はないのですけれど、
歌声を聞いてみて、
この人ってこう云う声で歌うのか、と
感心や感動することは多々あります。
だから本作で村上が高橋の歌声を聞きたいと思う気持ちも
分からなくはなかったり。
素敵な声には、本能にうったえかける何かがありますもん。