月曜日の約束
河井英杞2冊目となる待望の単行本「月曜日の約束」を読了。
- 作者: 河井英杞
- 出版社/メーカー: ビブロス
- 発売日: 2005/08/10
- メディア: コミック
- 購入: 1人
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収録作「錠前屋ロック」はそのタイトル通り、
錠前屋さんのお話。
一見、厚顔無恥のようで、
実は純情な安達くんがお気に入り。
得意先の富沢社長の家の鍵を開ける時に、
「スッ…」とピッキング・ツールを構える
安達くんが格好良いですね。
安達くんが広井先輩の手を舐めてワインを飲むシーンは
ちょっとえっちいなあ。
その後でもっとえっちなことをしてるんですけどね。
収録作「夕凪」は美大を目指す予備校の先生と生徒のお話。
一浪していて、実家から進路を変えるよう促され、苦悩する
主人公のミムラ君の姿を見て、「頑張れ!」と応援したくなります。
自分は割と好き勝手やらせてもらって、
その部分では幸せだったんだなと思うのですけど、
それでも選択が正しかったのか(そもそも「正しい」なんてあるのか)、
今でも、いつでも、悩んでいます。
それを思えば、身近な人から自分を肯定してもらえない辛さは
尚更、その身が苛まれるような苦痛なのだろうとしんみりしてしまいます。
でも逆に親の立場になった時、
子供の抱える苦悩を理解できなくなっていそうで、それも怖いです。
河井英杞は効果音の一部が写植になっているのが
大きな特徴だと思うのですが、
手書きよりも写植の方が
無骨というか、不器用で硬化した心情が
包み隠されることなく表面化した感じが出ていて、
とても好きなのです。