時々忘れていた感情が
ポッと沸き起こることがあります。
目当てのケーキ屋さんを目指して
池袋の路地裏をさまよった時の
辿り着けない焦燥感と夏の暑さ。
でもにわか雨の際の土埃の香りにも似た
あの時の路地の匂いに郷愁を這わせていたり。


もっともっと忘れちゃいけないことを
忘れてしまっています。
些細な、でも自分の人生を彩る何か。


そこへ戻ろうと
どうにかこうにか足掻いています。
きっとそこは自分にとっての
シオンの丘なんだと信じて。