おおきく振りかぶって

実家に帰ったら、弟がひぐちアサの「おおきく振りかぶって」の
1巻*1と2巻*2を購入していました。
思うところがあって気分は複雑ですが、
有難く借りて、読了しました。
主人公の三橋くんのおどおどしている姿に終始いらいらしどおしでした。
でもその原因は彼の個性ではなく、自分自身の姿を彼に投影しているからなのです。
他人の顔色をうかがい、始終怯えて、自信が持てないのは私。
組織の成員から嫌われたくないと思い、自分の無力さに嘆いているのも私自身。
三橋くんは阿部くんと云う寄って立つ人物を得て、
組織への帰属意識と自信を強めていっています。
翻って私は、常に組織の中で寄り添える対象を求めてきました。
大それた恐れを抱く必要などないのにも拘らず、
単身で新たに組織に飛び込むことに二の足を踏んでしまうのは
寄り添える誰かがいないことへの不安感が原因かな、と自己分析しています。
ここまで引きずったこの性格は変えられないと自分では思っています。
それ故、三橋くんの精神的成長は期待しつつも、
基本から大きく離れた変化は現実性に乏しく感じてしまうかもしれません。
今の三橋くんの個性を残しつつ、成長性を見せて欲しいなあと願っています。


閑話休題
このお話を読んでいて感じたのは、
実にクィア・リーディングを誘導しやすい要素が詰まっているな、と云うことです。
恐らく狙っているのではないかと。
手を握ったり、「スキ」と言い合ったり。
微笑ましいシーンながらも、勘繰ってしまうのは汚れているからなのかな…多分そう。


お気に入りキャラは田島くんと花井くん。
天才肌だけれど精神的に幼い感じの田島くんと、
熱血だけれど親しみのある花井くん。
特に花井くんをプッシュしたいです。頑張ってるなあと。

*1:

おおきく振りかぶって (1)

おおきく振りかぶって (1)

*2:

おおきく振りかぶって (2)

おおきく振りかぶって (2)