Doppelg?nger

私は屡々、なりたくてもなれなかったもう一人の自分について
思いをめぐらすことがあります。
劣等感の塊である自分は自分に無いものを持った
もう一人の自分を夢想するのです。
そうして考えたなりたくてなれなかった自分がたくさんいます。
頭の良い自分、外見の良い自分、背の高い自分、
性格の良い自分、積極的な自分、etc.
そうした自分はパラレル・ワールドにいるのかもしれないし、
あるいはこの世界に共存しているのかもしれません。
今回、試験に合格したことで、今の自分が
他の自分にとってなりたくてもなれなかった自分に
なれただろうか?と、ふと思いました。
幸せな気分に浸る自分がいる一方で、どこかで
うなだれている自分がいるのかと思うと
どこかやるせない気分になります。
今や夢も希望も枯れてしまいましたが
他の自分にとってなりたくてもなれない自分になれているのなら
まだ少し、生きていかなくてはならないのかもしれません。
今の自分になれなかった自分が
道を譲って良かったと思える自分になりたい。